フテブテの歩み

文筆/脚本/シナリオ/演劇///ハンドメイド/タロット​ ◆表現ユニット燃ゆる塵芥主宰 HP→https://yukifutebute.wixsite.com/yuki-fute-bute

砂漠にコスモスは咲かない


Msヨネヤマママコの自伝を読んだ。
単身渡米、異文化での異質な己、人間への感謝と憎しみが文字から激しく湧き出る。

文化と人種への戸惑い、適応するための屹然とした意思表示、反芻と分析・考察。

 渡米前は大衆のためのキャッチ―なテレビスター、現在はマイム界のレジェンド。

この本からは一貫して、人を深く愛しているのに人嫌いであるという相反する二つの印象を受ける。

文中ではマスコミや週刊誌に辟易しているようなことも匂わせている。

 

私は無名の一介の未開の民だけれども、そして大変勝手だけれども、この人の気持ちが少しだけわかったような気でいる。

しかしそれは数多の人間によって語られ尽くされてきたことで、私が敢えて言葉にするようなことでもないと思う。だが、一言だけ使い古された言葉で述べるなら、「調子の悪いときは手の平を返される」ということだ。

手の平を返す、とまでいかずとも、関係に益を見込めないとなるとよそよそしくなるのが人間だ。寂しさ・下心等一切除いたところに続く関係は互いの思いやりか? 惰性か? 精神の結びつきか? 互いを愉快に思う心か? それ以外の何かか?

私も人嫌いだ。だから人を大事にできると思っている。



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