2022-01-01から1年間の記事一覧
山田太一の作品は、いつも最後の最後まで登場人物の行動や言動にもどかしさを覚える。 人は問題に気がついていても、わずかばかり変われたらいい方だ。 100点はなかなかとれないものだと、その現実を再確認しているようだ。 ストーリーの骨組みを大雑把に捉…
脚本家、岡田惠和の魅力は、「葉っぱの上のテントウ虫をそうっと虫眼鏡ごしに観察したときに、ゆっくりと、しかし確実に小さな手足で前に進んでいるのを見つけて微笑ましく感じた気持ち」、そのようなものだと思う。 登場人物たちは各々が苦境に立たされなが…
女性の裸体には、アメノウズメが岩屋戸からアマテラスを導いたように場を操る力があり、それと同時にウズメが裸体で踊ったのを「如何にも滑稽である」と神々が笑ったように、裸には人々を笑顔にする力も滑稽さも存在する。 ステージに現れた裸にはなんらかの…
2020年4月のこと。世界が激変し、これからは今までと違う価値観を手に入れ、なんとかやっていかなくてはならないと考えるようになった。悪あがきに過ぎないが、そのために考える力を蓄えねばならず、ヒントになりそうだと一冊の本を手に取った。 コロナもI…
私はコロナ以前、小劇場界隈で演劇をしていた。 ※大事な前置きまずどのような公演でも全てのお客様にとても感謝していた。 一部の売れてる団体を除き、小劇場の主な観客は、①何を観ても「楽しかった」と言ってくれる謎なくらい優しい演劇好きのお客様、②付き合…
私見だけど尾崎豊で一番おすすめの曲は、15の夜でも卒業でもなくてCOOKIE。 最近、尾崎豊の記念碑の前を毎日通る。 再開発の進んだ渋谷の街だけど、ここだけは私が生まれる前から時が止まったかのようにそのままで、落書きだらけの懐かしいシブヤが残ってる…
ちょっとしたクリエイトが身近になり、大衆化され、日々が創作物で洪水のように押しつぶされ、皆がその海に溺れかけている中で、更に私の作品という水に注ぐだけの価値があるとは、残念ながら今はまだ断言できない。 でも「すばらしい新世界」だけはきっと読…