「おめでとう」
最近は、小冊子を作っていた。内容はエッセイや詩、書、小説などもろもろの文章をごちゃまぜにしたマガジンのようなもの。文章を書いて、IllustratorやInDesignを用いてレイアウトを組んで、印刷業者に持ち込んだ。
今日、新年会も兼ねて、刊行記念のお祝いをしてもらった。
この得体の知れない、まだどこにも流通できない冊子に対して、笑顔の「おめでとう」があった。それは、私の存在に対しての「おめでとう」と同義だった。
とても嬉しかった。
ふと最近見返した、エヴァの最終回を思い出した。シンジくんを囲み、「おめでとう」と拍手する人々。昔は不明瞭だった気持ちが少しわかった。そこには、存在の承認、そしてアイデンティティの確立があった。
とにかく抽象的な「おめでとう」を手に入れられて、大きな物事を成功させたときは違う種類の、清々しい何かが得られたのだけど、これが偽善でなく嘘偽りない本当の気持ちだと、なんて言えば信じてもらえるのだろう。