フテブテの歩み

サワユキ。傲慢な小娘。文筆家。演劇ユニット「燃ゆる塵芥」主宰。

38 明るく元気に

明るく元気に振る舞うことが好まれ、物事は結論から話すのが良しとされる時代です。

 

確かに、ずーっと同じことで愚痴をこぼされていたら参っちゃうし、物事を簡潔明瞭に捉えて先に進んで行かないと、

国際社会から取り残されてしまいます。

けれども、日本人は明るく簡潔にというのが苦手な性質を持っているとも言われてきました。

 

しかし、ゴニョゴニョ話すのは許されづらいし、器用に明るさと簡潔さを手に入れられた人から、はっきり喋りなさいよ!と叱咤され。

 

個人的には外から見える明るさなんかどうだっていいと思うのです。

スイッチを点けるように声を張り上げて挨拶をするファーストフードの店員さん、口角を限界まで上げて応対する銀行の受付係。

マニュアルに沿われた丁寧な対応は、安心とともに相手が人間であることをぼやかしてゆくと思うのです。

もちろん、マニュアルは一定の基準を満たせるし、もはや職務の円滑には欠かせないものでしょう。

 

ですが、無理な明朗快活を私生活に持ち込むことは必ずしも得策ではないと思います。

挨拶運動における小学生の大きな声と軍隊における点呼に似通った香りを感じませんか?

言い過ぎか。

 

私たちが本当に欲しているのは、かぐや姫の入った竹みたいに内から輝く明るさであり、外側の愛嬌とか愛想とかそういうものでは語れないと思うのです。

そしてそれは、誰に求められても必ず応じられる魔法のランプの精みたいなものではなく、あくまで自発的に待たねばならないものだと思うのです。