王義之「蘭亭序」を鑑賞。 「蘭亭序」は真跡(オリジナル)が残っていない。 では何を観るのか、臨模本それぞれの特性を観る。 以前は模倣品の個性を見つけるって???と思っていたけど、何度も観るうちに腑に落ちた。 臨模本の比較は、ご本人登場のないパタ…
山田太一の作品は、いつも最後の最後まで登場人物の行動や言動にもどかしさを覚える。 人は問題に気がついていても、わずかばかり変われたらいい方だ。 100点はなかなかとれないものだと、その現実を再確認しているようだ。 ストーリーの骨組みを大雑把に捉…
脚本家、岡田惠和の魅力は、「葉っぱの上のテントウ虫をそうっと虫眼鏡ごしに観察したときに、ゆっくりと、しかし確実に小さな手足で前に進んでいるのを見つけて微笑ましく感じた気持ち」、そのようなものだと思う。 登場人物たちは各々が苦境に立たされなが…
女性の裸体には、アメノウズメが岩屋戸からアマテラスを導いたように場を操る力があり、それと同時にウズメが裸体で踊ったのを「如何にも滑稽である」と神々が笑ったように、裸には人々を笑顔にする力も滑稽さも存在する。 ステージに現れた裸にはなんらかの…
2020年4月のこと。世界が激変し、これからは今までと違う価値観を手に入れ、なんとかやっていかなくてはならないと考えるようになった。悪あがきに過ぎないが、そのために考える力を蓄えねばならず、ヒントになりそうだと一冊の本を手に取った。 コロナもI…
私はコロナ以前、小劇場界隈で演劇をしていた。 ※大事な前置きまずどのような公演でも全てのお客様にとても感謝していた。 一部の売れてる団体を除き、小劇場の主な観客は、①何を観ても「楽しかった」と言ってくれる謎なくらい優しい演劇好きのお客様、②付き合…
私見だけど尾崎豊で一番おすすめの曲は、15の夜でも卒業でもなくてCOOKIE。 最近、尾崎豊の記念碑の前を毎日通る。 再開発の進んだ渋谷の街だけど、ここだけは私が生まれる前から時が止まったかのようにそのままで、落書きだらけの懐かしいシブヤが残ってる…
ちょっとしたクリエイトが身近になり、大衆化され、日々が創作物で洪水のように押しつぶされ、皆がその海に溺れかけている中で、更に私の作品という水に注ぐだけの価値があるとは、残念ながら今はまだ断言できない。 でも「すばらしい新世界」だけはきっと読…
2020改め2021、 あっという間に終わった五輪。 開会式はネットの中継で。 パントマイムを用いたピクトグラムがちょっぴり話題になった。 マイムの披露は短く・素早くが一般受けする。 映画泥棒の映像然り、今回のピクトグラム然り。 中止か否かで揉めに揉め…
最近、わずかばかり人に毛筆を教えた。 初めに、トメ・ハネは「こんにちは」と「さようなら」で、最初と最後のご挨拶だって説明した。まずはトメの筆の入りの角度だとか、ハネの力加減とか考えなくていいから、普段のあなたのチャーミングな挨拶をやってみて…
Msヨネヤマママコの自伝を読んだ。単身渡米、異文化での異質な己、人間への感謝と憎しみが文字から激しく湧き出る。 文化と人種への戸惑い、適応するための屹然とした意思表示、反芻と分析・考察。 渡米前は大衆のためのキャッチ―なテレビスター、現在はマイ…
再びマイム、「ロープ」で習作。 youtu.be ロープは緊張と緩和でできている。 引く動作には己の意思が、引かれる動作には第三者、神の意思が介在する。 豊かな表現には神の意思が付きものだ。 シェイクスピアの戯曲では意思を持つ人間ほど運命、つまり神の意…
昨日はお寺に迷い込み、導かれるまま隣接された墓地に足を踏み入れました。 墓石は古びていましたが、新しい花や納められたばかりの卒塔婆から、今もなお大切にされている場所だとわかり、恐怖の念は全く沸きませんでした。 現代人は死を恐れ、避けています…
朝、無性に諸々が面倒になり、携帯や荷物を投げ捨てて目の前にあった川に飛び込もうと思った。 結局寒いだろうな、とひるんでしまったが、冷静に考えたらどんなに暑くてもあんなドブ川には入らない。 日が暮れた帰り路もドブ川を見に行った。暗闇の中シルエ…
最近はTAKESHIの著作を読んでいる。 こだわりがあるようで、作品によって「北野武」「ビートたけし」の2つの名義を使い分けている。私はどっちのTAKESHIも混交して捉えているので仕方ないからローマ字表記にしている。日本語は便利だ。 (でもタイピングが…
一つのことをやっている人はこの人には勝てない。 少なくともエンタメにおいては。 現実には刀一本であんなに人や物をぶった切れるわけない。 おもしろさのためには嘘だってついたほうがいい。 時代劇を作ろうとしてタップダンスを用いようなんて誰が思うの…
今まで新宿末広亭の深夜落語や、木馬亭、落研の落語会などに行ったことはあったが、演芸ホールにはまだ一度も足を踏み入れていなかった。 浅草というと激しい江戸下町の血が沸き立つというか、ヤジも少しは飛ぶんかなと思っていたが、会社帰りのスーツのリー…
近頃パントマイムを少しばかりかじっている。 最初に習得したいと思ったのは壁だった。 空間に手のひらと全身のみで対象を浮かびあらせる行為に、創造の根幹を感じたからだ。 youtu.be マイムの練習は日々の達成感が得にくい。というのも私の経験した学校の…
" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">最近、五木寛之さんの『大河の一滴』という20年以上前の著作がコロナ禍に悩む人々に寄り添う本として再注目されているそう。それを受けて「世界一受けたい授業」で五木…
気づいたときには、桜は既に散りかけていた。 本当に慌ただしく、しかしぼんやりと日々は流れていった。 昨今の騒々しい日々によって視野狭窄になり、足元を照らすことに精一杯になってしまったのだと、ようやく自分を客観視することができた。ここ最近考え…
最近は、小冊子を作っていた。内容はエッセイや詩、書、小説などもろもろの文章をごちゃまぜにしたマガジンのようなもの。文章を書いて、IllustratorやInDesignを用いてレイアウトを組んで、印刷業者に持ち込んだ。 今日、新年会も兼ねて、刊行記念のお祝い…
人と仲良くなるにはじっくりと時間をかけねば……と普遍的なことを改めて思うのだけど、その言葉の真意は挨拶に割く時間が増え続けていることにある。 昔、それもひと昔前と比べてさえも、一人の人間が一生に出会う人の数は格段に増えている。しかし増えたのは…
たまーにある一般感覚と異なる感情なとき、あえて一般感覚あるフリをした方がウケがいいけど、そんな「フリ」は2、3年前によく見かけた、AKBのメンバーの名前を知ってると言い、そして無料通話アプリLINEを使っていると若い子に媚び媚びに話しかける中年男…
最近、円谷プロのウルトラシリーズを片っ端から観ています。 怪獣の背中の棘やら色の付いたスモークやらオープニングの映像やら一つひとつ細かくこだわっていて、作品の世界観のためには地道にどんなことでもしたのだろうなぁ……。きっと意外なものを発想の素…
象徴があると物事は理解しやすい。 ので、もともと象徴のないもの、ただそこに存在するだけのものにすら象徴を見つけようとしてしまったり。 ただなんとなくそこに在るものを、深読みしてしまう。たまたまそうなったと思われているものにも、本当のところ無…
その人本人に会わない限り、 その時代を知らない限り、 どんなに調べても、想像で補った土台の上にしか、その人物像を感じることができないように思う。 けれども、一生わからないことを探り続けることこそ美しい、とも思う。 本人にしてみたらびっくりな、…
半年ほど前に毎日エッセイのようなものを書く宣言をし、みっともないことに一ヶ月ほどでやめました。 習作のためには、ある程度の出来であってもじゃんじゃん出すべきなのか、納得いく1本を推敲し続けるべきなのか、どちらも一長一短ですが、違う価値観の人…
同じだと思っていたものに違いが生まれるということ、 隣にいたものが離れていくということ、 自分がどうしようもなく取り残されるということ、 世間知らずの想像の中では自分を標準に考える他ないということ、 夢を叶えられない状況にあるということ、 手に…
お悩み相談者:自分 聞き役:自分 お悩み 落ち込んでるときも、「強くあれ!」って言われ過ぎて疲れちゃいました。確かに人間、強い方がかっこいいかもしれませんが、そういつも強くはいられません。でも、弱い自分に酔っているのも嫌です。どうすればいいです…
いろんなモノを凄いと思っていますが、それでも自分の目指したい凄さは自分で見出だすしかないので、既成のモノにしっくり来ないのは良いことだと思うようにしました。 が、先行文献のない学ぴは難しい。本当に難しい。 けれどもこのバランス感覚を失って、…